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モンセラート・カバリェさんの残した言葉【ソプラノ歌手】1933年4月12日~2018年10月6日

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「まだ埋もれた歌手だった頃よ。1963年蝶々夫人で共演しているうちに愛し合うようになったわけ。ピンカートンに結婚してもらえた蝶々夫人はたぶん、私一人じゃないかしら。…….夫は、1976年から歌ってないわ。アーモンドの栽培、ワイン造り、それに家畜の飼育、それが夫の仕事よ。彼の農園にいると楽しいわ」 カタルーニャ生まれのオペラ歌手で、優れたベルカント歌唱技術とロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティらのベルカント・オペラの諸役での優れた歌唱で名高い。 カバリェが世界的に知られるようになったきっかけは、1965年ニューヨーク市のカーネギー・ホールで行われた演奏会形式の『ルクレツィア・ボルジア』上演で、病気でキャンセルしたマリリン・ホーンの代役を務めたことである。彼女の歌唱はセンセーションを引き起こし、オペラ界にその名を知らしめた。それまで、モーツァルトやドイツオペラを主なレパートリーとしていたカバリェは、この公演を切っ掛けにしてベルカント・オペラにレパートリーを移行していく。同年後半、カバリェはグラインドボーン音楽祭およびメトロポリタン歌劇場にグノーの「ファウスト」でマルグリットを歌って初出演する。また、1970年にはドニゼッティの「ルクレツィア・ボルジア」を歌いミラノ・スカラ座主役デビュー(1960年代前半に傍役でスカラ座に出演している)を、またヴィオレッタ役でロイヤル・オペラハウスへのデビューを果たす。 彼女はベルカント・オペラを当たり役としているが、バロックからヴェルディ、ヴァーグナー、プッチーニ、さらにR.シュトラウスの元帥夫人(『ばらの騎士』)や『サロメ』の主役に至る実に80もの役柄を歌った経験がある。 また彼女はリサイタルも得意で、とくに母国スペインの歌曲の歌唱が名高い。 カバリェの声は純粋な声質、正確なコントロールと力強さが顕著である。彼女は劇的な才能や演技力よりは、高度な歌唱力や陰影にとんだ声色、そして絶妙なピアニシモが評価されている。