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内海隆一郎さんの残した言葉【作家】1937年6月29日~2015年11月19日

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「男に見つめられていると思うと、自然に綺麗になっていく。」 「大勢のなかに自分を埋没させてしまうと、不思議な安堵感があるものだ。しかし、それではきみたちの人格も個性もなくなったと同じことだ。」 「きみたちの大事な友人のなかに、ぜひとも加えてほしいのが孤独という友だ。」 日本の作家である。「ハートウォーミング」と呼ばれる独自のスタイルによって市井の人々を描くことを得意とし、これまで5作品が直木賞候補となった。 立教大学を卒業して出版社に編集者として勤務していた1969年、処女小説「雪洞にて」が第28回文學界新人賞を受賞した。しかし翌年、受賞第一作である小説「蟹の町」が第63回芥川賞候補となるも落選すると、そのショックから以降15年間に渡って断筆、編集者として務め続けた。 1984年、友人の紹介によって、日本ダイナースクラブの月刊会員誌 「シグネチャー」への寄稿を開始。同誌では市井の人びとを描いた一話完結の短編小説を連載し、それらは翌年『人びとの忘れもの』として筑摩書房から出版された。エッセイとも小説ともとれる手法で日常生活のなにげない出来事をおだやかな文章で描いた心あたたまる短編は反響を呼び、後に「人びとシリーズ」と呼ばれる独自の作風として定着した。これらは評論家や編集者からも絶賛され、この後内海は文筆業に専念することとなった。 1993年、「鮭を見に」が第110回直木賞、1995年には「百面相」が第113回直木賞の、それぞれ候補作品となった。2008年(平成20年)、「人びとシリーズ」のベストセレクション、「30%の幸せ」が出版された。