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降旗康男さんの残した言葉【映画監督】1934年8月19日~2019年5月20日

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「子どもの頃、戦争の最中のことですが、ある日の放課後、担任の先生に呼ばれて「サイパンが陥落した。日本は戦争に負けるよ。お前はお調子者だから、気軽に少年兵志願に手を挙げたりしちゃいけないよ」と言われました。みんなが日本は勝つと信じていた時代だっただけに驚いたと同時に、この先生のようにものを考える人がいることに目を開かされました。そうしたら、今度は近所にやってきた特攻隊の兵士が「君たちは志願して兵隊になってはいけない」と同じことを話してくれた。そのときに「大勢に流されない人たちがいるのだ」と知り、素直にすごいなあと思ったんです。それから絶対、大勢に流されてはいけないと心に言い聞かせ、自分の生きていく指針となっています。安易に迎合しない、自分の意志に逆らうことをしないのは、その経験が大きい。」 「映画には文章と違って『接続詞』がない。見る人の人生がそこを埋める。」 「若いころ何度か挫折を経験し、さすがにもう辞めようと思っていた矢先、宮島義勇さんというカメラマンと出会った。そこで変わりましたね。宮島さんは、たとえば雲を撮影するシーンなど、納得できる雲が出るまで2週間待ち続けたりするわけです。最初は驚いたのですが『映画っていうものは、ただ撮ればいいんじゃない、何を撮るかだ』と。その宮島さんの姿勢、思いが僕にしみ入った。映画の面白さを身体にたたきこんでもらった気がします。」 「世の中に負けた人、はじき出された人、そうならざるを得なかった人。そういった、世間で言うところの『負け組』の人々の生き方にこそ、本当の人間のおかしさ、美しさ、かわいらしさがある。」 日本の映画監督。長野県松本市出身。