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大岡信さんの残した言葉【詩人】1931年2月16日~2017年4月5日

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「ミックス名人が紀貫之であり、日本人の自然を見る新しい目がそのまま詩になってくる、という時代は、彼の時代から出発するのだと思います。」 「あの人(紀貫之)の歌の作り方には規範性がある。中国の詩格を念頭に置きつつ、しかし物真似ではない、日本独自のものを作ってやろう─という意識で中国と日本をミックスしていった。」 「日本という国は、外国との接触で文明が入ってくると、ある時期、相当期間にわたって門戸を閉ざし、外から得たものを内部で熟成して別のものにするという装置がうまく出来ていた国ですね。」 「クモの糸は、雨がかかって露がキラキラしているところが美しい、というような把え方もあるけれども、それより風に破れやすくてはかないところに一種の美がある。」 「オミナエシのような、優美な感じのする草花が大変愛される。紀貫之なんか随分この花の歌を作っていますね。」 「日本では、梅は万葉時代には非常に愛されたのに『万葉』から『古今』に至る間に梅と桜の位置は大逆転してしまった。以後、花といえば筆頭は桜です。」 「中国では桃季梅杏が愛される木の横綱ですね。いずれも白または紅系統の、桜よりは鮮やかな感じの花が咲く上、盛大に実がなるものばかり。」 「よくきく眼は必要だ。さらに必要なのは、からだのすべてで、はるかなものと内部の波に同時に感応することだ。」 日本の詩人、評論家。東京芸術大学名誉教授。日本ペンクラブ元会長。一ツ橋綜合財団理事。