特攻隊員の遺書 関行男大尉【両親へ】

父上様、母上様

 西条の母上には幼時より御苦労ばかりおかけ致し、不幸の段、お許し下さいませ。
 今回帝国勝敗の岐路に立ち、身を以て君恩に報ずる覚悟です。武人の本懐此れにすぐるものはありません。
 鎌倉の御両親に於かれましては、本当に心から可愛がっていただき、其の御恩に報ずる事も出来ず征く事を、御許し下さいませ。
 本日帝国の為、身を以て母艦に体当を行ひ、君恩に報ずる覚悟です。皆様御体大切に

満里子殿

 何もしてやる事も出来ず散り行く事はお前に対して誠にすまぬと思って居る
 何も言わずとも、武人の妻の覚悟は十分出来ている事と思ふ 御両親に孝養を専一と心掛け生活して行く様
 色々と思出をたどりながら出発前に記す
 恵美ちゃん坊主も元気でやれ

教へ子へ

 教へ子よ散れ山桜此れの如くに

最初の特攻隊指揮官である関大尉のご遺書。

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