特攻隊員の遺書 小川清中尉【両親へ】
「最後の便り」
お父さんお母さん。清も立派な特別攻撃隊員として出撃する事になりました。思えば二十有余年の間、父母のお手の中に育った事を考えると、感激の念で一杯です。全く自分程幸福な生活をすごした者は他に無いと信じ、この御恩を君と父に返す覚悟です。 あの悠々たる白雲の間を越えて、坦々たる気持で私は出撃して征きます。生と死と何れの考えも浮びません。人は一度は死するもの、悠々の大義に生きる光栄の日は今を残してありません。 父母上様もこの私の為に喜んでください。 殊に母上様には御健康に注意なされお暮し下さる様、なお又、皆々様の御繁栄を祈ります。清は靖國神社に居ると共に、何時も何時も父母上様の周囲で幸福を祈りつつ暮しております。 清は微笑んで征きます。出撃の日も、そして永遠に。
2001年3月27日様々な人々の協力ににより、小川中尉の遺品が遺族に返還された。特攻隊員の突入時の遺品が返還されるというニュースはアメリカ、日本で新聞でも紹介され、テレビでも放映された。
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