勝海舟さんの残した言葉【武士】1823年3月12日~1899年1月19日

「政治家の秘訣は何もない。ただ『誠心誠意』の四文字ばかりだ。」


「外交の極意は、誠心誠意にある。ごまかしなどをやると、かえって、こちらの弱点を見抜かれるものだよ。」


「天下の大勢を達観し、事局の大体を明察して、万事その機先を制するのが政治の本体だ。」


「敵は多ければ多いほど面白い。」


「時勢の代わりというものは妙なもので、人物の値打ちが、がらりと違ってくるよ。」


「大事をなすには寿命が長くなくてはいけないよ。」


「学者になる学問は容易なるも、無学になる学問は困難なり。」


「人間、数ある中には、天の教えを受ける勘を備えている者がある。」


「世人は、首を回すことは知っている。回して周囲に何があるか、時勢はどうかを見分けることはできる。だが、もう少し首を上にのばし、前途を見ることを覚えないといけない。」


「あれのこれのと心配ばかりしていては、自然と気が餓え神(心)が疲れて、とても電光石火に起こりきたる事物の応接はできない。」


「もし成功しなければ、成功するところまで働き続けて、けっして間断があってはいけない。世の中の人は、たいてい事業の成功するまでに、はや根気が尽きて疲れてしまうから大事ができないのだ。」


「生業に貴賤はないけど、生き方に貴賤があるねえ。」


「人はみな、さまざまに長ずるところ、信ずるところを行えばよいのさ。社会は大きいから、あらゆるものを包容して毫(ごう)も不都合はない。」


「島国の人間は、どこも同じことで、とにかくその日のことよりほかは目につかなくって、五年十年さきはまるで暗やみ同様だ。それもひっきょう、度量が狭くって、思慮に余裕がないからのことだよ。」


「功名をなそうという者には、とても功名はできない。戦いに勝とうという者には、とても勝ち戦はできない。何ごとをするにも、無我の境に入らなければいけないよ。」


「人間の精根には限りがあるから、あまり多く読書や学問に力を用いると、いきおい実務の方にはうとくなるはずだ。」


「世に処するには、どんな難事に出逢っても臆病ではいけない。『さあ、なにほどでも来い。おれの身体がねじれるならばねじってみろ』という料簡で事をさばいてゆくときは、難時が到来すればするほど、おもしろ味がついてきて、物事は造作もなく落着してしまうものだ。」


「やるだけのことはやって、後のことは心の中で、そっと心配しておれば良いではないか。どうせなるようにしかならないよ。」


「俺など本来、人(生まれ)が悪いから、ちゃんと世間の相場を踏んでいる。上がった相場はいつか下がるときがあるし、下がった相場もいつか上がるときがあるものさ。その間、十年焦らずじっとかがんでいれば、道は必ず開ける。」


「機先を制するというが、機先に遅れる後の先というものがある。相撲取りを見てもただちにわかる。」


「急いでも仕方がない。寝ころんで待つのが第一だと思っています。」


「生死を度外視する決心が固まれば、目前の勢いをとらえることができる。難局に必要なことはこの決心だけだ。」


「自分の価値は自分で決めることさ。つらくて貧乏でも自分で自分を殺すことだけはしちゃいけねぇよ。」


「世の中に無神経ほど強いものはない。」


「人の一生には、炎の時と灰の時があり、灰の時は何をやっても上手くいかない。そんなときには何もやらぬのが一番いい。ところが小心者に限って何かをやらかして失敗する。」


「その人がどれだけの人かは、人生に日が当たってない時にどのように過ごしているかで図れる。日が当たっている時は、何をやってもうまくいく。」


「人には余裕というものが無くては、とても大事はできないよ。」


「事を成し遂げる者は愚直でなければならぬ。才走ってはうまくいかない。」


「行いは己のもの。批判は他人のもの。知ったことではない。」


「外国へ行く者が、よく事情を知らぬから知らぬからと言うが、知って行こうというのが良くない。何も用意しないでフイと行って、不用意に見て来なければならぬ。」


「何でも大胆にかからねばならぬ。難しかろうが、易しかろうが、そんな事は考えずに、いわゆる無我の境に入って断行するに限る。」


江戸時代末期から明治時代初期の武士、政治家。位階は正二位、勲等は勲一等、爵位は伯爵。初代海軍卿。 山岡鉄舟、高橋泥舟とともに「幕末の三舟」と呼ばれる。

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