故人が残した名言集【7月30日】

外山滋比古さんの残した言葉【思考の整理学】1923年11月3日~2020年7月30日


「考え方にしても、一人前の人間は、おのずから、個性的な特性をもって考える。思考のスタイルがあると言ってもよい。」



「転んで、痛い目にあって、立ち上がってまた歩き出す。それが大人である。」



「著作者の力は短くて、すぐれた読者に認められた作品の命は長い。」



「比較、優劣をつけるのは高度の判断力が必要である。感情、利害、縁故などのしがらみを切り捨てて理性的な選択をできるのは、きびしい、知性をもち堅実な生活をしている人のみできる。」


「無事なとき、ひまな人には、心のゆとりは生じようがない。」



「思考の整理とは、いかにうまく忘れるかである。」



お茶の水女子大学名誉教授、日本の英文学者、言語学者、評論家、エッセイスト。文学博士である。全日本家庭教育研究会元総裁。外山家は法海山龍護院妙光寺の旧檀家である。

専門の英文学をはじめ、言語学、修辞学、教育論、意味論、ジャーナリズム論など広範な分野を研究し、多数の評論を発表した。



長年、幼児・子供に対する「ことばによる情操教育・知育の重要性」を提唱してきた。



『修辞的残像』、『近代読者論』で文学における読者方法論を説き、『シェイクスピアと近代』で発展的実践を示した。また、従来否定的に扱われてきた異本の意義に着目し、その積極的機能を考察し「異本論」から「古典論」へと進展させた。



その他、日本語に関する著書『日本語の論理』や俳句に関する著書『省略の文学』『俳句的』などの評論を多数発表した。


小田実さんの残した言葉【作家】1932年6月2日~2007年7月30日



「まあ、もうちょっと、行ってみようやないか。ほんとうに未知なものにむかって進むとき、人はそんなふうに自分に対して言うほかはない。」



日本の作家・政治運動家。体験記『何でも見てやろう』で一躍有名になった。

日本に多い私小説を批判し、全体小説を目指した。

九条の会の呼びかけ人の一人。妻は画家の玄順恵。



谷崎潤一郎さんの残した言葉【小説家】1886年7月24日~1965年7月30日



「文章のコツ、即ち人に『わからせる』ように書く秘訣は、文字や言葉で表現できることとできないことの限界を知り、その限界内に止まることが第一。」



「文章に実用的と芸術的との区別なし。」



「悲しい時には、桜の花の咲くのを見たって涙が出るんだ。」



「筋の面白さは、言ひ換えれば物の組み立て方、構造の面白さ、建築的の美しさである。」



「他の一切を放擲して、全然助手を使わずに、自分一人だけでこの仕事に没頭し、殆ど文字通り『源氏に起き、源氏に寝る』という生活を続けた。」



「いい宝石は泥土に投げ捨て、火の中へ燻べても固有の輝きを失わない。」



「物と物のあいだにできる影にこそ、美がある。」



「私は、われわれが既に失いつつある陰影の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。」



「恋愛は芸術である。血と肉とを以て作られる最高の芸術である。」



「たとへ神に見放されても私は私自身を信じる。」



「世間はただ私の作品をさへ見てくれればよいのであります、それが立派なものなら、私という個人に用はない訳であります。」



「意地の悪い人間は、その意地悪さを発揮する相手がいないと寂しいに違いない。」



「恋というのは一つの芝居なんだから、筋を考えなきゃ駄目だよ。」



「人は健康になろうと思ったら、西洋流に強く明るく、積極的に生きることだ。食物であろうが、色欲であろうが、欲するままに精一杯貪ることだ。」



「議論を吹っかける場合には、わざと隙間を拵えておくほうが良いんです。そうしないと敵が乗って来ないんです。」



「我という人の心はただひとり、われより外に知る人はなし。」



「どんな人間でも、大概一生に一度はその人間に相応した花々しい時期というものがある。」



「死ぬということは、生きているよりイヤなことです。けれども、喜んで死ぬことができれば、くだらなく生きているよりは幸福なことです。」



「どんな人間でも、大概一生に一度はその人間に相応した華々しい時期と云うものがある。」



「たそがれに咲ける蜜柑の花一つ老ひの眼にも見ゆ星の如くに」

(辞世の句)



日本の小説家。明治末期から第二次世界大戦後の昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。現在においても近代日本文学を代表する小説家の一人として、評価は非常に高い。

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