佐々木正美さんの残した言葉【精神科医】1935年8月25日~2017年6月28日

「親が子どもの『将来のために』と、子どもの『現在』を犠牲にしてしまうのでは、私はいけないことだと思っています。」


「何でも一人でできるようになることが自立だと、勘違いしてしまう。多くの場合、それは『自立』ではなく『孤立』なのです。」


「子どもの話を聞いて、正直に言ったときには『ほんとうのことを言ってくれてありがとう』と喜んであげてください。 お母さんにとってはショックが大きいこと、悲しいときこそ笑顔でこう言います。そして『そんなことをしない人間になってくれたら、もっとうれしい』と伝えます。」


「何をしたいかと考えるより、何をしなければならないかということばかり考えている子が多くなった。子どもは小さい時は、やりたいことを優先することが大事だ。そのことが自主性、主体性、創造性のもとになる。大きくなるにしたがって、自分がやりたいことは我慢しなけれならないことが多くなる。」


「極端なことを言うと親はなくても子は育ちます。でも、友だちがなくては子どもは育ちません。社会的な立場で、他者とコミュニケーションする力をつけるには、『友だちと遊ぶこと!』これ以外にありません。」


「子どもを幸せにするために、いちばん大切なことは何ですか、と聞かれたら、私はこう答えます。それは、自分のことを好きな子どもに育てることです。『自分っていいな』と思いながら毎日を生きている子どもは、それだけで幸せです。」


「子どもにとっての最高のほめ言葉はなんでしょうか。それはお母さんから子どもに対しての『ありがとう』ではないでしょうか。また、自分から『ありがとう』と言ったときに『どういたしまして』と返されることも、子どもにはうれしいものです。」


「過剰期待は拒否と同じことである。子どもの現状に不満を表明していることになるのだから。」


「一人で感動しているのと、本当に親しい友人と感動しあうというのは、まったく意味が違ってきます。友だちというのは、そのために意味があるのです。一人でやるゲーム遊びより、キャッチボールや鬼ごっこという、関係の中での感動です。それが友だちの本当の意味です。」


「自立とは、一人で何かをすることではない。人と共感し合い、強調し合って生きることである。」


「グズグズしてしまうにはそれなりの理由があります。それなのに、『早く!』と言っても行動は早くなりません。『早く!』と言われ続けた子どもは、大人が考える以上に傷ついています。自分自身の存在は親は不満なんだ、と受け取ってしまいます。自分を否定されていると感じています。」


「今日の一日、楽しいことが起こる予感がなければ、朝は目覚めが悪い。」


「子どもの考えに親は乗ったほうがいい。親の考えに子どもを乗せすぎると子どもは萎縮する。いつも周囲の評価を気にする習性が身について、本当に思ったことが言えない子になる。」


「安心しているから子どもは、親に反抗します。『こんなワルでも好き?』と、反抗します。子どもは、依存と反抗を繰り返しながら、自立します。」


「何でも一人でできるようになることが自立だと、勘違いしてしまう。多くの場合、それは『自立』ではなく『孤立』なのです。」


「保育園でわがままな子どもたちが本当に振り向いて欲しいのは保育園の先生ではなく、お母さんやお父さんなのです。 いっしょにいる時間が短いからこそ、『がまんしていいい子にしなさい』ではなく『うんと甘えていいのよ』と伝えてください。」


「しつけというのは結局のところ、禁止や強制から始まる。『こうしなさい』『これはいけません』と言うことである。しかし、大事なことは、それがいつできるようになるか楽しみに待ってやることだ。子どもの自律心は、待ってやることで、はじめて育つ。他が律するのではない。」


日本の児童精神科医。男性。

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