吉野朔実さんの残した言葉【漫画家】1959年2月19日~2016年4月20日
「雨の降らない場所はないのだ。世界中が晴れていることなどないのだ。だから晴れる。いつかは晴れる。今は、私の上に降っているとしても。」
「きっかけなんて何だっていいの、決めるときはいつだって一瞬よ。口に出しちゃえば、あとは走るだけ。」
「大人だと思って、甘く見るなよ。子供が育っただけなんだからな。大人だからって、分別があると思うなよ。」
「罪のない人間なんかいないし、意味のある死なんかない。」
「動物好きな連続殺人犯、子煩悩な麻薬密売人、母親思いの結婚詐欺師。人間悪い面ばかりじゃない。 」
「恋愛も結婚も離婚も一人では出来ません。相手の望みをかなえてやることが自分の幸福であると考えられることが、二人であることの幸福です。双方から物事を考えることが出来れば、離婚でさえも不幸なこととは限らないのです。」
「誰もが人を傷つける可能性を持っている。でも『可能性』は人を殺さない。『ナイフ』も人を殺さない。殺すのはあくまでも『人』だ。人が凶器を振り下ろした時、はじめて血が流れるんだ。」
「人は会うべき人にしか会わない。だからいつでも、自分が行きたい場所に行くんだよ。」
「相手に良かれと思ってやることと、相手がして欲しいと思っていることが一致することは稀なんだ。皆あまり気付いてないけどね。」
「人の振りを見ても、我が身は直せない。」
「理想は限りなく遠く、青春は限りなく病気に近い。」
「知っているのが僕一人であるならば、それは無に等しい。」
「自分より成績の悪い奴がいたからって、自分の点数が上がったわけじゃないんだぜ。」
「例えば恋、古今東西誰も彼も口をそろえて言う。『恋は病である』と。少し違うと思う。異性に焦がれる気持ちは動物的な本能であって、これを病気とは思えない。」
「自分を失うことよりも、あなたを失うことの方が恐ろしい。他人を愛するということは、いつか訪れるであろうその恐怖に耐えることを意味する。それを思えば無駄な時間など一つもないのだ。」
「本当のことが、正しいこととは限らない。まして、いいことばかりとは限らない。」
「お前には、お前の選択も責任もあるだろう。不幸になる自由ってのもあるんだぞ。それが信頼ってもんじゃないか。」
「苦しい人は他人の苦しみに敏感で、それ故自分の好奇心を晴らすために他人の心に踏み込んだりはしません。傷ついた者に、出来ることは当たり前にするけれど、見返りを求めたりもしません。」
大阪府出身の日本の漫画家。血液型O型。
1985年から『ぶ〜け』に連載された『少年は荒野をめざす』と、引き続いて1988年より『ぶ〜け』に連載された『ジュリエットの卵』が代表作。クールで分析的な作風で、しばしば心理学を題材とする。青年期のアイデンティティ・クライシスを描くために、直接的・間接的に双子を扱った作品が多い。
作風は、松苗あけみや山本直樹の影響を受けたと語っており、歌人の穂村弘や精神科医の春日武彦との交友関係が知られている。
文学にも造詣が深く、『本の雑誌』で書評エッセイを連載したほか、NHKの書評番組である『週刊ブックレビュー』にも、過去数回、書評者として出演した。
コメント