谷崎潤一郎さんの残した言葉【小説家】1886年7月24日~1965年7月30日

「文章のコツ、即ち人に『わからせる』ように書く秘訣は、文字や言葉で表現できることとできないことの限界を知り、その限界内に止まることが第一。」


「文章に実用的と芸術的との区別なし。」


「悲しい時には、桜の花の咲くのを見たって涙が出るんだ。」


「筋の面白さは、言ひ換えれば物の組み立て方、構造の面白さ、建築的の美しさである。」


「他の一切を放擲して、全然助手を使わずに、自分一人だけでこの仕事に没頭し、殆ど文字通り『源氏に起き、源氏に寝る』という生活を続けた。」


「いい宝石は泥土に投げ捨て、火の中へ燻べても固有の輝きを失わない。」


「物と物のあいだにできる影にこそ、美がある。」


「私は、われわれが既に失いつつある陰影の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。」


「恋愛は芸術である。血と肉とを以て作られる最高の芸術である。」


「たとへ神に見放されても私は私自身を信じる。」


「世間はただ私の作品をさへ見てくれればよいのであります、それが立派なものなら、私という個人に用はない訳であります。」


「意地の悪い人間は、その意地悪さを発揮する相手がいないと寂しいに違いない。」


「恋というのは一つの芝居なんだから、筋を考えなきゃ駄目だよ。」


「人は健康になろうと思ったら、西洋流に強く明るく、積極的に生きることだ。食物であろうが、色欲であろうが、欲するままに精一杯貪ることだ。」


「議論を吹っかける場合には、わざと隙間を拵えておくほうが良いんです。そうしないと敵が乗って来ないんです。」


「我という人の心はただひとり、われより外に知る人はなし。」


「どんな人間でも、大概一生に一度はその人間に相応した花々しい時期というものがある。」


「死ぬということは、生きているよりイヤなことです。けれども、喜んで死ぬことができれば、くだらなく生きているよりは幸福なことです。」


「どんな人間でも、大概一生に一度はその人間に相応した華々しい時期と云うものがある。」




日本の小説家。明治末期から第二次世界大戦後の昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。現在においても近代日本文学を代表する小説家の一人として、評価は非常に高い。

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