芥川龍之介さんの残した遺書 (子供達宛て)【小説家】1892年3月1日~1927年7月24日

わが子等に

  1. 人生は死に至る戦ひなることを忘るべからず。
  2. 従つて汝等の力を恃むことを勿れ。汝等の力を養ふを旨とせよ。
  3. 小穴隆一を父と思へ。従つて小穴の教訓に従ふべし。
  4. 若しこの人生の戦ひに破れし時には汝等の父の如く自殺せよ。但し汝等の父の如く 他に不幸を及ぼすを避けよ。
  5. 茫々たる天命は知り難しと雖も、努めて汝等の家族に恃まず、汝等の欲望を抛棄せよ。是反つて汝等をして後年汝等を平和ならしむる途なり。
  6. 汝等の母を憐憫せよ。然れどもその憐憫の為に汝等の意志を抂ぐべからず。是亦却つて汝等をして後年汝等の母を幸福ならしむべし。
  7. 汝等は皆汝等の父の如く神経質なるを免れざるべし。殊にその事実に注意せよ。
  8. 汝等の父は汝等を愛す。(若し汝等を愛せざらん乎、或は汝等を棄てて顧みざるべし。汝等を棄てて顧みざる能はば、生路も亦なきにしもあらず)

芥川龍之介

(遺書)


日本の小説家。本名同じ、号は澄江堂主人、俳号は我鬼。 その作品の多くは短編である。また、「芋粥」「藪の中」「地獄変」など、『今昔物語集』『宇治拾遺物語』といった古典から題材をとったものが多い。「蜘蛛の糸」「杜子春」といった児童向けの作品も書いている。

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