徳大寺有恒さんの残した言葉【自動車評論家】1939年11月14日~2014年11月7日
「イギリスのクルマは最高を求めない。『たかがクルマじゃないか』と思っているところがいい」
「キャディ(キャデラック)の味はキャディでなければ得られないのだ。その味をよしとすればメルツェデスにその代役はつとまらないのだ。今、外国車に乗るということはその味を買うことだろうと思う。機能を買うなら多くの国産車がそれを果たしてくれるし、経済的でもある。しかし味は買えない。」
「スズキというメーカーはおもしろい。まずカッコをつけない。これがいいと思う。そして、案外強固な自分の意思を持っていて、それを信じているように思える。こういうメーカーは案外少ない。」
「MR-Sのようなクルマの楽しさは、これに乗ってどこに行こうかといろいろ想像できるところだ。MR-Sはいま流行のミニヴァンが失ってしまった、クルマとして最も大事なものを持っている。」
「やっぱり、イタリア車には、ほかの国のクルマにはない人間的な魅力があるからじゃないかな。壊れないとかさ、そんなことばっかり大事にしていないで、気持よく走るとか、いい音を聞かせるとか、そういうクルマなんだよ。だから、人間がわざわざ乗る甲斐がある。」
「『これ1台あれば、オレは十分だ』と考える人たちが増えたからこそ、ユーノスは日本で月から3000台も売れる。この種のクルマをセカンドカーだと思わない人たちが増えてきたというのは日本のモータリゼーションの大きな変化を示している。」
「ジャグァーはもともと『貴族の出』ではない。ジェントリーが貴族に憧れて、貴族以上に貴族らしくふるまうのと同じように、高級車に憧れて、高級車以上に高級車たらんとしたのである。そうして生まれ育ってきたからこそ、ジャグァーが発するメッセージは『上品であれ、紳士たれ』なのだ。」
日本の自動車評論家。元・レーシングドライバー。本名 及び 旧ペンネームは、杉江 博愛。
自動車評論家という職業柄、膨大な台数の車を購入しては手放した。外国車を中心に常時5-6台を所有していた。小型スポーツ車から大型セダンまで旧い英国車が好みで、1990年代には旧車を中心にイギリス車、日本車、イタリア車、フランス車、アメリカ車など数台を所有した。
SUVではミドルサイズのダッジダコタを導入したり、またドイツ車はメルツェデスのSLなどを所有したりと嗜好の幅が広く、多くの読者を生んでいる。フランス車では特にシトロエンを好み、最近の愛車はシトロエン・DS3であった。かつて、妻の足代わりに軽自動車(数台乗り継がれている)のスズキ・ワゴンRを購入した過去もあるが、最近はミニであった。
晩年にはロンドン郊外の旧車専門店の話や、1950年代のアルヴィスやMG、トライアンフなどに言及した。自動車以外の嗜好は喫煙で、特に葉巻を好み、酒好きでもある 。バブル経済前後には「ジュリアナ」にも顔を出し、「助手席には女性以外は乗せない」ことを信条とし、ファッションなどでも英国風のダンディズムを標榜していた。
コメント