加島祥造さんの残した言葉【求めない】1923年1月12日~2015年12月25日

「静けさと平和さ。このふたつを得るには、いま自分の持つものに満足することさ。」


「プライドばかり高い人間には誰もついてゆかない。強い力で押しまくる時、かならずしっぺ返しがくる。」


「世間が『よし』とか『だめ』とか言ったって、それが君にとって何だというんだね?」


「動物園の檻に入れられた動物たちと同じようなものだ。社会のなかには様々な檻が存在している。そこにいる窮屈さから逃げ出そうと、もがいている人間もいるだろう。ほんとうの生き場所に行こうとしてね。でもそれは無意味なことだ。なぜなら、今いる檻から抜け出しても新たな檻が待ち受けている。いつも何かに閉じ込められている。それが社会で生きているということだ。受けいれるという姿勢を身につけることが社会を生きやすくする方法なのかもしれない。」


「求めない。すると 比べなくなる。」


「すべての欲望を捨て去ることなどできない。また、そこまでする必要もない。ただ、あまりにも不必要なものに囲まれていると自分とは何者なのかが見えにくくなってくる。」


「終戦後の日本には何もなかったから人々は多くのモノを求めて働いてきた。そして日本は、モノがあふれる社会になった。もういい加減、求めることはセーブしたほうがいい。自分にとってほんとうに必要なものは何か。不必要なものまで求め過ぎていないか。そんなことをしっかりと個々人が考えることが大事。」


「『幸福とは何か』という問いかけには答える気にならない。ほんとうにそんな抽象的なものを求めているのだろうか?」


日本の詩人、アメリカ文学研究者、翻訳家、随筆家、タオイスト、墨彩画家。

詩作のみならず、アメリカ文学の翻訳にて名声を得た後、壮年期より漢詩を経て老荘思想に大きな影響を受け、文筆のみならず絵画なども含めた幅広い創作活動や執筆活動を通して、西洋と東洋の双方を見渡す位置からタオイストとしての一貫した姿勢を私生活でも死去するまで徹底した。

翻訳関係の仕事では、訳書により、一ノ瀬直二、久良岐基一といった別名義を用いて活動しており、死後になって、関係者よりその事実が改めて説明がなされた。

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