オノレ・ド・バルザックさんの残した言葉【ゴリオ爺さん】1799年5月20日~1850年8月18日

「We exaggerate misfortune and happiness alike. We are never as bad off or as happy as we say we are.」

(われわれは幸福も不幸も大げさに考えすぎている。自分で考えているほど幸福でもないし、かといって決して不幸でもない。)


「Excess of joy is harder to bear than any amount of sorrow.」

(過剰な喜びは、どんな悲しみよりも耐えるのが困難である。)


「There is no such thing as a great talent without great will power.」

(偉大な意志の力なしに、偉大な才能などというものはない。)


「Laws are spider webs through which the big flies pass and the little ones get caught.」

(法律は蜘蛛の巣である。大きな虫は突き抜け、小さな虫だけが引っかかる。)


「愛とは一種の花です。種子が風に吹かれ、落ちたところで開花するのです。」


「情熱の持続時間は、その女性が最初に示した抵抗の大きさに比例する。」


「The habits of life form the soul, and the soul forms the countenance.」

(生活習慣は精神を形成し、精神は顔つきを変える。)


「不幸は我々に真の友人を教えうるという長所がある。」


「俺の青春は雲一つない空のように、まだ青く晴れわたっている。偉くなりたい、また金持ちになりたいと願うことは、嘘をつき、頭を下げ、へつらい、偽ることを自ら決心したことではないか。」


「多くの忘却なくしては人生は暮らしていけない。」


「The more one judges, the less one loves.」

(良し悪しの判断が増えるほど、愛することが減る。)


「Love is a game in which one always cheats.」

(恋愛は、必ずどちらか一方がズルをするゲームだ。)


「When women love, they forgive everything, even our crimes; when they do not love, they cannot forgive anything, not even our virtues.」

(女が愛するとき、女はすべてを許す。それが道徳に背くことでも。女が愛さないとき、女は何も許すことができない。それが正しい行いであっても。)


「Love is the poetry of the senses.」

(恋は官能の詩である。)


「Modesty is the conscience of the body.」

(慎み深さは肉体の良心である。)


「真の情熱というものは美しい花のようなもので、咲き出た土地が痩せ地であればあるほど、ひときわ見る目にも快いものである。」


「女はその手袋を変えるように、容易に心を変える可愛らしい動物である。」


「愛について語ることは、愛することである。」


「上司の権威をつけるための最良の方法は、部下が困っている仕事を解決してやることである。」


「男は年をとると与えるものがなくなり、ただ受け取るばかりだ。恋人を愛するにも、恋人のうちにある自分を愛する。若い頃には自分のうちにある恋人を愛する。」


「天才とは、やろうと思ったことは断じて実行に移す人間のことである。」


「あらゆる知恵の中で、結婚についての知識が一番遅れている。」


「本当に愛している者には、何もかもすべてが愛となる。」


「熱狂できないということは凡庸のしるしだ。」


「女は、男と天使との中間の動物である。」


「諦めは日常的な自殺である。」


「嫉妬とは妻が疑わしくなることではなく、自分自身が疑わしくなることである。」


「『孤独は良いものだ』ということを我々は認めざるを得ない。しかし、『孤独は良いものだ』と話し合うことのできる相手を持つこともまた、一つの喜びである。」


「結婚は一切のものを呑み込む魔物といつも闘わなければならない。その魔物とは、つまり習慣のことだ。」


「指導者は世論の誤りを是正できなくてはならない。たんに世論を代表するだけでは、その責務を果たすことはできない。」


「もし夫が、愛されることに幸福を見出そうとするならば、本気で愛さないといけない。本当の情熱なら、向かうところ敵なしだと知るがいい。」


「結局のところ、最悪の不幸は決して起こらない。たいていの場合、不幸を予期するから悲惨な目にあうのだ。」


「男の初恋を満足させられるのは、女の最後の恋だけである。」


「男は女の恋人であるとき、その女の友人であることはあり得ない。」


「芸術の使命は、自然を模倣することではなくて、自然を表現することである。」


「あまりうちとけ過ぎる人間は尊敬を失います。気やすい人間は馬鹿にされます。むやみに熱意を見せる人間はいい食いものにされます。」


「金持ちに成っても、金持ちに生まれついても、それで優雅な生活が送れるわけではない。そのセンスが必要なのだ。」


「愛することから始めて反感にいたるときには、愛に戻ることはけっしてない。」


「女はよき夫を作る天才でなければならない。」


「忍耐は仕事を支える資本の一つである。」


「もしジャーナリズムが存在しないなら、間違ってもこれを発明してはならない。」


19世紀のフランスを代表する小説家。なおド・バルザックの「ド」は、貴族を気取った自称である。 イギリスの作家サマセット・モームは、『世界の十大小説』のなかで、バルザックを「確実に天才とよぶにふさわしい人物」と述べている。バルザックは90篇の長編・短編からなる小説群『人間喜劇』を執筆した。

バルザックの小説の特性は、社会全体を俯瞰する巨大な視点と同時に、人間の精神の内部を精密に描き、その双方を鮮烈な形で対応させていくというところにある。そうした社会と個人の関係の他に、芸術と人生、欲望と理性、男と女、聖と俗、霊肉といった様々な二元論をもとに、時に諧謔的に、時に幻想的に、時にサスペンスフルにと、様々な種類の人間を描くにあたって豊かな趣向を凝らして書かれた諸作品は、深刻で根源的なテーマを扱いながらもすぐれて娯楽的でもある。高潔な善人が物語に登場することも少なくなく、かれらは偽善的な社会のなかで生きることに苦しみながら、ほぼ例外なく苦悩のうちに死んでいく(『ゴリオ爺さん』、『谷間のゆり』など)。長くはない一生において実に多彩な傾向の物語を著しつづけた天才的な才能の持ち主であり、その多作・速筆にも関わらずアイデアが尽きることはなかった。

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