アンドレ・モーロワさんの残した言葉【小説家】1885年7月26日~1967年10月9日

「真に結ばれた夫婦にとっては、若さの喪失ももはや不幸ではない。ともに年老いることの楽しさが年老いることの辛さを忘れさせてくれる。」


「幸福な結婚においては、恋愛の上にいつか美しい友情が接木されます。この友情は心と肉体と頭脳に同時に結びついているだけにいっそう堅固なのであります。」


「結婚に成功する最も肝要な条件は、婚約時代に永遠のつながりを結びたいという意思が真剣であることだ。」


「恋愛の誕生はあらゆる誕生と同じく『自然』の作品である。愛の技術が介入するのはその後のことである。」


「心おきなく相手を賛美できるのは大きなしあわせである。」


「人は家族がいなければ、世界で一人寒さに震える。」


「絵画が視覚を、音楽が聴覚を魅するように、料理は味覚を虜にする。」


「最も深い革命は精神的なものである。精神的革命は人間を変革し、今度はその人間が世界を変革する。」


「家庭は集団的エゴイズムである。単に愛情のみならず、防衛であり、外部に対する同盟であるようなエゴイズムに堕落する。」


「学者とは、その観察と経験から、現象相互の一定の関係について、いろいろな仮定を引き出す人のことである。」


「仕事は退屈と悪事と貧乏とを遠ざける。」


「あらゆる変化をこらした酒池肉林からも、生まれてくる感情上の生物は常に同一である。すなわち屈辱と下卑と陰鬱な感情である。」


「意志も、人間が行動する瞬間からしか、なすすべを知らない。それは航行の場合でよく分かる通りである。動かないでいる船は操縦できない。一つの動きによって操縦可能な力が生じて、初めて舵もきくようになる。」


「伝記は断じて小説化になってはならないが、つねに小説的であるべきだ。」


「夫婦間の会話は、外科手術のように慎重に取りかからなければなりません。ある種の夫婦は正直なあまり、健康な愛情にまで手術を施し、そのために死んでしまうようなことになるのです。」


「幸福な結婚とは、婚約してから死ぬまで全く退屈しない長い会話のようなものである。」


「世渡りのためには、誰も武装しているし、またそれが必要なのだが、固く結ばれた夫婦の間では鎖で身を固めることを要しない。」


「団体の仕事に従事する者や、ボスとなる人に仕える者は、虚栄心を持ってはいけない。その人自身の意志が強すぎて、自分の計画がボスの計画とぶつかると、ボスの命令を自分の好む方法へ曲解しようとするからである。」


「人生にとって健康は目的ではない。病気は我々の欲望に、我々の不安に、はっきりした限界をもうけるのだから。」


「女性の友情は、恋愛が僅かの役目を果たしていない社会では容易である。」


「望みどおりの幸福を得られなかった過去を否定して、自分のために、それを変えていこうという希望こそ、蘇生した人間のもつ魅力なのである。」


「人間は恋愛においては、小さな忠実よりも大きな不謹慎の方が許しやすいものだ。」


「友情の価値である重厚な信頼は、恋情の場合では、自分の愛する者を失うまいとする絶え間ない危機感によって置換される。」


「洒落っ気があるだけでは十分ではない。持ちすぎないようにするのが肝心だ。」


「恋愛というものは、振幅が大きくて、情熱の波に弄ばれます。友情は静かで安定した流れを辿ります。


「恋する男からみれば、プレゼントは自分の力を確実にする一つの手段である。」


「人生は短い。たとえ、それを長いと思って過ごしている人たちにとっても。」


「老いることは、忙しい者には身に付ける暇のない悪い習慣だ。」


「最初の教育の目的はとりわけ「学ぶすべを学ぶこと」であろう。生涯の残りは、応用しながらも学ぶことに過ごされるべきであろう。」


「恋する男は、自分の愛する女性と一緒に見た国や光景に関して、並はずれた追憶を残している。」


「何をおいても決して恐れてはいけない。あなたを退却させようとしている敵はまさにその瞬間、あなたを恐れている。」


「経験が唯一教えてくれることは、経験は何も教えてくれないということだ。」


「物分りの良い夫は、決して腹を立てることがない。暴風雨の真っただ中にいる船乗りと同じように、こういう夫は帆綱をゆるめるのである。様子を見ている。いずれそのうちに凪が来るだろうと思う。」


「欲情は二つの皮膚の偶然の接触から生まれる。」


「老年は男女間の友情に最も適した年代である。というのは、彼らはその年代になると、男や女であることをやめてしまうからである。」


「忘却なくして幸福はあり得ない。」


「仕事は退屈と悪事と貧乏とを遠ざける。」


「統率者の命令は、明確で正確でなければならない。命令はすべて誤解されやすく、曖昧な命令は理解されない。」


「小さな事にこだわるには、人生はあまりにも短すぎる。」


「家庭とは、人がありのままの自分を、示すことができる場所である。」


「生きる技術とは、一つの攻撃目標を選び、そこに全力を集中することである。」


「夫婦というものは、夫婦を構成する二人のうち、より低いほうの水準に合わせて暮らすものである。」


「レストランで食事を一緒にしている夫婦たちの様子を見たまえ。彼らが押し黙っている時間の長さが、夫婦生活の長さに比例しがちである。」


「幸福な結婚とは、婚約してから死ぬまで全く退屈しない長い会話のようなものである。」


「真に結ばれた夫婦にとっては、若さの喪失ももはや不幸ではない。ともに年老いることの楽しさが年老いることの辛さを忘れさせてくれる。」


「幸福な結婚においては、恋愛の上にいつか美しい友情が接木されます。この友情は心と肉体と頭脳に同時に結びついているだけにいっそう堅固なのであります。」


「本当に男らしい男とは、傍らに女がいる場合にだけ存在する。」


「女は自分の色恋沙汰が世間の口に上らないことを望む。しかし自分が愛されているということをみんなに知られたいと望む。」


「もっとも驚くべき記憶力は恋する女の記憶力である。」


「結婚に成功する最も肝要な条件は、婚約時代に永遠のつながりを結びたいという意思が真剣であることだ。」


「初恋は、男の一生を左右する。」


「全ての偉大な恋愛のうちには母性愛がある。真の女らしい女たちが男の力を愛するのは、男の弱さを知っているからである。」


「愛されていることの確信は、内気な人をも自然な状態にすることによって、その人に多くの魅力を与える。」


「一つの眼差し、一度の握手、幾分、脈のありそうな返事などによってたちまち元気付くのが恋をしている男女なのだ。」


「恋愛の誕生はあらゆる誕生と同じく『自然』の作品である。愛の技術が介入するのはその後のことである。」


フランスの小説家、伝記作者、評論家。本名はエミール・サロモン・ヴィレルム・エルゾグで、ユダヤ系フランス人である。
ルーアンのコルネイユ高等学校卒業。アランに師事していた。第一次世界大戦には英語通訳官として出征する。1918年、処女作『ブランブル大佐の沈黙 Les silences du colonel Bramble』で認められ、以後アランの哲学の通俗化を基本としつつ広い教養、穏健な良識、柔軟な文体で小説、歴史、評論、伝記を書いた。小説では『気候 Climats』『血筋のめぐり Le cercle de famille』などが知られるが、小説的伝記と呼ばれる作品『シェリィ伝 Ariel,ou la vie de Shelley』『ディズレーリ伝 La vie de Disraëli』をはじめとして、バイロン、トゥルゲーネフ、ヴォルテールなどの評伝が広く愛読された。イギリスの歴史・文学に詳しく、歴史作品『英国史 Histoire de l'Angleterre』などがある。1927年と1930年から1年間アメリカに滞在し、1943年『米国史 Histoire des États-Unis』を出版する。また第二次世界大戦中はロンドン、アメリカにあり『フランス史 Histoire de la France』などを発表した。

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