マルセル・プルーストさんの残した言葉【失われた時を求めて】1871年7月10日~1922年11月18日
「People wish to learn to swim and at the same time to keep one foot on the ground.」
(人は泳げるようになりたいと願いながら、同時に片足を地面につけているものだ。)
「安定は愛を殺し、不安は愛をかきたてる。」
「Desire makes everything blossom; possession makes everything wither and fade.」
(欲する心にはすべてを開花させる力がある。所有したという事実はすべてをしぼませ枯らしてしまう。)
「The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.」
(発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。)
「The regularity of a habit is generally in proportion to its absurdity.」
(ある習慣の規則正しさは、その習慣のばかばかしさに比例する。)
「Happiness is beneficial for the body, but it is grief that develops the powers of the mind.」
(幸福は身体にとってはためになる。しかし、精神の力を発達させるものは悲しみだ。)
「We are healed of a suffering only by experiencing it to the full.」
(我々の苦悩は、とことんまで経験することによってのみ癒される。)
「We are not provided with wisdom, we must discover it for ourselves.」
(英知は受け売りでは身に付くものではない。自分自身で発見するものである。)
「We become moral when we are unhappy.」
(不幸なときにこそ、人は道徳的になる。)
「病人というものは、正常な人よりも己の魂により近く迫るものだ。」
「世界は一度だけ創造されたのではなく、独創的な芸術家が出現したのと同じ回数だけ度々作り直されたのである。」
「The only true paradise is paradise lost.」
(真の楽園とは失われた楽園である。)
「恋わずらいの人は、ある種の病人のように自分自身が医者になる。苦悩の原因をなした相手から癒してもらえることはないのだから、結局は、その苦悩の中に薬を見出すのである。」
「私たちが情熱から解放されるのは、その情熱をとことん味わいつくした場合だけである。」
「It is not because other people are dead that our affection for them grows faint, it is because we ourselves are dying.」
(我々の愛情が衰えるのは、相手が死んだためではなく、我々自身が死ぬからである。)
「上手に別れられるなどということは、まったく稀なのだ。そういうのは、ちゃんとうまくいっていたら、別れたりはしやしない。」
「愛が永遠でないという理由は、多分、記憶がいつも真実であると限らず、人生は細胞の絶えざる更新によって出来ているからであろう。」
「我々の忘却してしまったものこそ、ある存在をいちばん正しく我々に想起させるものである。」
「戦争を続けようとする者にもまた、戦争を始めた者と同様の罪があるのです。あるいはそれ以上の罪があるかもしれません、何故なら、真っ先に始めた方は恐らく戦争の惨禍をことごとく予想していたわけではありませんからね。」
「Time passes, and little by little everything that we have spoken in falsehood becomes true.」
(時は過ぎゆく。そして少しずつ、我々が口にしてきた嘘は、真実になる。)
「Love is space and time measured by the heart.」
(愛とは、心で測る時間と空間のことである。)
「Let us leave pretty women to men with no imagination.」
(美しい女たちのことは、想像力のない男たちに任せておこう。)
「愛するということは不運である。お伽話の中の人々のように、魔法が解けるまでそれに対してどうすることもできないのだ。」
フランスの小説家。畢生の大作『失われた時を求めて』は後世の作家に強い影響を与え、ジェイムズ・ジョイス、フランツ・カフカと並び称される20世紀西欧文学を代表する世界的な作家として位置づけられている。
病弱な幼少期を過ごし、9歳の時に発症した喘息の持病を抱えながら文学に親しみ、リセから進んだパリ大学で法律と哲学を学んだ後はほとんど職には就かず、華やかな社交生活を送り、幾つかの習作を経た30代後半から51歳の死の直前まで、長篇『失われた時を求めて』を書き続けた。
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