武者小路実篤さんの残した言葉【白樺派】1885年5月12日~1976年4月9日
「この世の中には色々の不幸がある。しかしその不幸からよきものを生み出そうとし、また生み出し得るものは賢い人である。」
「才能で負けるのはまだ言い訳が立つ、しかし誠実さや、勉強、熱心、精神力で負けるのは人間として恥のように思う。他では負けても、せめて誠実さと、精神力では負けたくないと思う。」
「心配しても始まらないことは心配しない方が利口だ。心配すべきことを心配しないのはよくないが、それも大胆に、いじけずに心配すべきだ。」
「僕が信用する人はどんな時でも、本音のあり場所を示す人だ。本当のことがわからない時は、わからないとはっきり言える人だ。」
「結婚は早すぎてもいけない、おそすぎてもいけない、無理が一番いけない、自然がいい。」
「人生は楽ではない。そこが面白い。」
「私は一個の人間でありたい 誰にも利用されない 誰にも頭を下げない 一個の人間でありたい 他人を利用したり 他人をいびつにしたりしない そのかはり自分もいびつにされない 一個の人間でありたい。」
「人生と言うものは、思わぬ時に道がひらけたり、閉じたりするものだ。」
「笑はれるのを恐れるよりは心にないことを云ふのを恐れなければいけない。」
「結婚するものも仕合わせだし、しないものも仕合わせだ。どっちにも人間としての喜びがある。」
「幸福をつかむことを恐れるな。」
「人生はむつかしく解釈するから分からなくなる。」
「この道より我を生かす道はなし、この道を行く。」
「もう一歩。いかなる時も自分は思う。もう一歩。今が一番大事なときだ。もう一歩。」
「この世に生きる喜びの一つは、人間の純粋な心にふれることである。」
「桃栗三年柿八年 だるまは九年 俺は一生」
「心の美しい者は、皆に愛されるのは事実である。そして恐らく運命にも愛されるであろう。」
「幸福は分に応じて、心がけよくして生きてゆけば誰でもなれるはずである。」
「趣味ということは馬鹿に出来ない。人間の上等下等は趣味で大概きまる。」
「働くことは讃美されるべきことである。」
「まかぬ種子は生えぬと言うが、我等は不幸の種子をまかず、幸福の種子をまくように注意すべきである。」
「君は君 我は我也 されど仲よき」
「自然、必然、当然。三つのものの、合一する道を歩く確かさ。」
「ものになるならないは、実に一寸した処で決まるのだ。昨日までものにならなかった人が、今日ちゃんとものになっていた。そう言う事実を自分は何度か見た。」
「僕は運命を信じないのです。ただ実力を磨くことだけを信用しているのですよ。」
「生まれた者は やがて死ぬ者なり 我も亦 やがて死なん だが生きてゐる間は生きる也 我らしく生きる也 何者にも頭を下げず いぢけずに生きんと思ふ」
「幸福は与えられるより、努力で獲得する方が多い。」
「他人がどうであろうと自分さえ、ちゃんとしていればいい。するだけのことをすればいい。」
「不幸からよきものを生み出そうとし、又生み出しえる者は賢い人である。与えられたる運命をもっともよく生かすということは、人間にとって大事である。」
「死の恐怖を味わうことは、その人がまだ生きてしなければならない仕事をしていないからだ。」
「自分を信じて行かなければいけない。教わるものは遠慮なく教わるがいいが、自分の頭と眼だけは自分のものにしておかなければいけない。」
「自分の力に合うことだけしろ、その他の事は、おのずと道が開けてくるまで待て。」
「何にも特色がなくとも正直に働く人は、それは新しい世界の基礎になる。」
「本当にころがつた者は起き上がる時は何か得をしてゐる。」
「どこまでも勝ちぬき、どこまでも生きぬくためには、勇敢であることが必要なのだ。そして勇敢の第一の条件は生命を捨てるのを恐れずに戦うということだ。それも弱者のため、自分の保護を要求する人のために身を犠牲として戦う。これが勇敢なものの特質である。」
「今の人は、幸福と快楽の区別を知らない。快楽を得ることを、幸福だと思っている。」
「恋はあつかましくなければ出来ないものだよ。本当の恋はあつかましいものには出来ない。」
「幸福を感じるのには童心とか、無心とか、素直さとか言うものが必要である。」
「無理してよろこぶな。理屈でよろこぶな。自然によろこべる時によろこべ。」
「色と言うものはお互いに助けあって美しくなるものだよ。人間と同じことだよ。どっちの色を殺しても駄目だよ。どの色も生かさなければ。」
「人間が死ぬ時の言葉は美しいと言われているのも、人間は死ぬ時は、自分のことを考えず、あとのことを考えるからである。」
「自分でも何かのお役に立つのだ。このことは喜びである。この喜びは自分の一生が、無意味でないことを示している。このことを幸福に感じるのである。」
「すぐれた人間は、いざという時が来ないでも、いつも全力を出して仕事をしている。」
「よき友を持つものは、自分の方でもよき友に、なれるものでなければならない。自分だけが得することは、不可能である。」
「他人に要求することを先ず自分に要求せよ。」
「愛なくて人は生きねばならなかったら、人生は遂に地獄のなかの地獄である。」
「生まれけり、死ぬまでは、生くるなり。」
「あるがままにて、満足するもの万歳。」
「尊敬すべき幸福な人は、逆境にいても、つまらぬことはくよくよせず、心配しても始まらないことは心配せず、自分の力のないことは天に任せて、自分の心がけをよくし、根本から再生の努力をする人である。」
「誰もが見て、これでこそ人間だと思う一個の人間、自分はそういう人間を実に愛する。」
「まあいゝ 俺の一生を何かの役にたてて見せる ころぶ時があつても」
「一から一をひけば零である。人生から愛をひけば何が残る。土地から水分をとれば沙漠になるようなものだ。」
「最も進んだ技巧は技巧を忘れさす。」
「自分で自分を支配することが出来ない人は、不幸になりやすい。」
「友情の価値は、両方が独立性を傷つけずにつきあえるという点にあるのだ。」
「さあ、俺も立ち上がるかな まあ、もう少し坐つてゐよう」
「僕はいい画や字を見ると、自分より優れた人間がこの地上に生きていたことをはっきり知って、ありがたくなり、自分も負けていてはすまないと思う。」
「ふまれても ふまれても 我はおきあがるなり 青空を見て微笑むなり 星は我に光をあたえ給うなり」
「自分で幸福を感じている人は、それだけで満足し感謝するが、自分が幸福を感じないものは、他人に尊敬されたかったり、他人に報酬を求めたりする傾向になりやすい。」
「何のためにあなたたちは、生きているのですか。国のためですか。家のためですか。親のためですか。夫のためですか。子のためですか。自己のためですか。愛するもののためですか。愛するものを持っておいでですか。」
「自己を責めることを知っているものは善人で、他人ばかりを責めるものが悪人だ。」
「みな身から出たさびだ。さびを出すのが嫌だったら自分を純金にするか、絶えず自分を磨いていなければいけない。自分では何もせずに、さびが出るのに不平を起こすのは己を知らない者だ。」
日本の小説家・詩人・劇作家・画家。貴族院勅選議員。 姓の武者小路は本来「むしゃのこうじ」と読むが、後に「むしゃこうじ」に読み方を変更した。しかし、一般には「むしゃのこうじ」で普及しており、本人も誤りだと糺すことはなかったという。 仲間からは「武者」の愛称で呼ばれた。文化勲章受章。名誉都民。
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