中村天風さんの残した言葉【天風会】1876年7月20日~1968年12月1日

「信念、それは人生を動かす羅針盤のごとき尊いものである。従って信念なき人生は、ちょうど長途の航海の出来ないボロ船のようなものである。」


「人生は生かされてるんじゃない。生きる人生でなきゃいけない。」


「今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ。」


「絶対に消極的な言葉は使わないこと。否定的な言葉は口から出さないこと。悲観的な言葉なんか、断然もう自分の言葉の中にはないんだと考えるぐらいな厳格さを、持っていなければだめなんですよ。」


「鉛は鉛、金は金。鉛に金メッキして、俺は金だというような顔をしなさんな。」


「意志の力の強いっていうのと、強情っぱりと同じにしてちゃあだめだ。強情っぱりっていうのと、意志の力はぜんぜん違うんだよ。乱暴と勇気が違うのと同じようにね。」


「船に乗っても、もう波が出やしないか、嵐になりゃしないか、それとも、この船が沈没しやしないかと、船のことばかり考えていたら、船旅の愉快さは何もなかろうじゃないか。人生もまたしかりだよ。」


「良い運命の主人公になりたかったら、心の中に感謝と歓喜の感情を持つことだ。感謝と歓喜に満ちた言葉と好意は、人生の花園に善き幸福という実を結ぶ。」


「感謝するに値するものがないのではない。感謝するに値するものを、気がつかないでいるのだ。」


「一度だけの人生だ。だから今この時だけを考えろ。過去は及ばず、未来は知れず。死んでからのことは宗教にまかせろ。」


「憎い人があろうはずがない。あなた方が何か憎らしいことを考えているだけだ。」


「数ある同僚の中からぬきんでて偉くなる人は、結局、偉くなるべき資格をもっているんです。その資格とは、『誰にも言われなくても、日々毎日、実際に努力している』ことなんです。」


「人間が人間として生きていくのに一番大切なのは、頭の良し悪しではなく、心の良し悪しだ。」


「常に善良な言葉、人を勇気づける言葉、人に喜びを与える言葉っていうような、言葉のみを使っている人、そういう人は心がけなくても、人に幸福を分けている人だよ。」


「土台を考えないでいて、家の構造ばかり考えたって、その家は住むに耐えられない家になっちまうでしょう。人生もまたしかりであります。」


「『俺は運が悪いなあ』と思わないで『ああ、何か俺の心構えなり、方法なりに大きな間違いがあったのを、こういう結果になって、天が教えてくれているんだなあ』と考えなさい。」


「とにかく自己向上という意欲を、自分の心に燃やさないで、そういう希望や、理想を持たないで生きてる人は、いいかい、自分自身の人生存在を、極めて軽く見ている人だぜ。」


「やれ運命がつまらないの、人生がつまらないのって人は、その考え方がつまらないんです。いいですか、幸福も健康も成功も、ほかにあるんじゃないですぜ。あなた方自身のなかにあるんだぜ。」


「偉くなる人とそうならない人と、差が出てくるかっていうと、同じ話を聴いても、聴き方、受け取り方が全然違うからなんです。受け取ったことを自分の人生に、どう応用していくかということだけの差なんです。」


「どんな場合にも『こまった』『弱った』『情けない』『腹がたつ』『助けてくれ』なんていう消極的な言葉を、絶対に口にしないことです。」


「言葉には人生を左右する力があるんです。この自覚こそが人生を勝利にみちびく、最良の武器なんですよ。」


「一切の人生の果実は、その人が蒔いた種子のとおり表現してくる。」


「持たなくてもいい重い荷物を、誰に頼まれもしないのに一生懸命ぶらさげていないか。」


「たとえ身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。」


「あなた方が現在、何か人生に苦労を感ずるものを持っているとしたら、それをただ苦しい、情けないと思うよりも、仔細にそれを検討なさい。心を己の生命が生きるための道具として使わないで、反対に心に使われているがための結果なんですよ、どんな心配でも。」


「お前の頭の中に、何が描かれているか当ててみようか?それはお前が失敗して、しょんぼりしている哀れな姿だろう。そんな絵は消してしまいな!おまえが、堂々と相手を説得して『大成功』というシーンを描くのだよ、そうすれば仕事もきっとうまくいく。」


「終始一貫、勇気勇気で押し切るのだ。」


「なにか悲しいこと、辛いこと、そのほか消極的な出来事があったら、努めて『笑う』ようにしてごらん。どうだい、これならあなた方でもできるだろう?」


「ぼやぼやしてちゃいけないよ。人がつくった衛星が宇宙を飛んでる時代に、縁起がどうのこうの、日の良し悪しや占いが迷信がなんて、みんな自分自身に、消極的な暗示をかけているんですよ。」


「百歩譲って、いくら磨いても玉にならないとしてもだよ、磨かない玉よりはよくなるぜ。ここいらが非常に味のあるところじゃないか。」


「苦労したり、悩んだり、人を憎んだり、恐れたり、悲しんでるとき、気持ちいいですか。あんな嫌な気持ちはなかろう。その嫌な気持ちをなぜ心にさせるんだ。喜ばせてやれ。」


「幸福や幸運は、積極的な心もちの人が好きなんですよ。」


「私が事業家にいいたいのは、ここだ。宇宙の心理に背いた、自分本位の欲望でもってしようとしたことは、そう滅多に成功するものではない。事業に成功するのは、自分が欲望から離れて何かを考えたときに、また、その考えたことを実行するときに成功するのだ。同じ事業家でも、欲の固まりでやる者と、『この仕事で、世の中の人のために、本当に役立つものを提供しよう』という気持ちでやるのでは、その結果が全然違うのである。」


「事業をしている人、その心に信念があるか。」


「人生というものは、そこに進歩と向上があってこそ生きがいを感じ、勉強もし、努力もするんだぜ。」


「境遇や環境が、自分を偉くしたり幸福にしたりすることはない。」


「いいかい、他人に好かれようと思ったら、何よりも自分があまり好き嫌いのないようにすることです。」


「人としてこの世に生まれて一番大切なことは、人に好かれる人間になることだよ。」


「人の落ち度は、許すより忘れてしまえ。」


「自分が心配、怖れたりしている時、『いや、これは俺の心の本当の思い方、考え方じゃない』と気付きなさい。」


「自分自身を自分自身が磨かない限り、自分というものは本当にえらくならない。」


「大きな期待を胸に、自分の将来をプライドを持って築かんとする若人の中に、自分自身の人生を自分自身が活かさないで、相変わらず古くさい気持ちで、神だ仏だといって頼るようなことがあっちゃいけないんですぜ。」


「運命だって、心の力が勝れば、運命は心の支配下になるんです。」


「二度と生まれることのできない人生の刹那刹那は、自分というものがいつも完全な主人公でなければならない。」


「明日に死を迎えるとしても、今日から幸福になって遅くないのです。」


「生きていることを楽しもう。そうすりゃ、治る病なら、黙っていてもすぐ治る。治らない病は、どう思ったって治らないんだから、そのときはしょうがねえじゃないか。」


「人生あまり難しく考えなさんな。暗かったら窓を開けろ、光がさしてくる。」


「喜びのないところには、本当の生きがいのある人生というものがない。」


「酸いも甘いも噛み分けている年配者のほうが悟りが遅い。余計なこだわりが多くあるためである。」


「人が人の世のためを、本位として生きる時、その心の中に、卑しい不平不満の火は燃えない。」


「もし、知識だけを磨いて人間が幸せになれるなら、学問を一生懸命勉強した人はみんな幸福になれそうなもんじゃないですか。そして、学問を勉強しない人はみんな不幸であるべきはずだが、そうじゃないでしょう。」


「どんな些細なことでも感謝を先にして喜びで迎えたなら、黄金花咲く爛漫たる喜びの世界になる。」


「自分の成功や幸福のことよりも、他人の成功や幸福を願い、かつそれに向けてまい進していけば、いつの間にか、自分も成功と幸福を掌中におさめることが出来るのです。」


「自分の気に入ったものだけかわいがって、気にいらないものはかわいがらない。そういうのは本当の愛情じゃないんだぜ。太陽のように、あれこれと選ばないで、普遍的な気持ちで愛さなければだめなんだよ。」


「凡人は敵対し、優れし人は和合する。ケンカすることより、仲良くすることをまず考えなきゃだめですよ。」


「怒る者よりも怒られる者のほうが気は楽だって。反対に言えば、怒られる者よりも、怒る者のほうが苦しいんですよ。」


「他人の喜ぶような言葉や行いを、自分の人生の楽しみとする、という尊い気分になって生きてごらん、今日から。」


「どんな目にあっても、どんな苦しい目、どんな思いがけない大事にあっても、日常と少しも違わない、平然としてこれに対処する。これが私の言う積極的精神なんであります。」


「終始一貫、笑顔でとおすようにしてごらん。不運な人、体の弱い人は、ひとしお、笑いに努力するんだ。笑うにつれて、人生の幸福と幸運がどんどん開けてくるから。」


「習慣づけなさい。習慣は第二の天性。」


「誰がなんといおうが、本人が『有り難い、幸福だ』と思っていたら、不幸はありえない。だから幸福は、心が生み出すきわめて主観的なものなのだ。」


「欲しいっていうものが自分のものにならなかったら、現在自分が持っているものを嬉しい、と思うように考え方を変えればいいんです。」


「どんな名医や名薬といえども、楽しい、おもしろい、うれしいというものに勝る効果は絶対にない。」


「筆を洗ったまっ黒なコップの水も、水道の蛇口のところに置いて、ポタリポタリと水を落とせば、一晩のうちにきれいになってしまう。」


「生きてる現実、恋をする。飯を食う。クソをたれる。ひっかけば血が出る。もう、自分の人生は現実でしか解決がつかないんです。」


「欲望を無くそうとする欲こそ、もっとも大きい欲だということに何故気づかんのか。」


「欲は全ての進化と向上の源泉である。欲を押さえつける必要など少しもない。求めれば求めるほど愉快になり、楽しくなるのが本当の欲である。しかも、人の喜びが自分の楽しみとなるものが最も尊い。この尊い欲の炎をもっともっと燃やすことである。」


「外と中と両方から見ろ。それを学問的にいうならば、科学的に考えると同時に、哲学的に考えろと。哲学的に考えると、科学的な考え方がおろそかになるし、科学的に考えると、哲学的な考え方がおろそかになる。」


「模倣も極致に到着すると真実と同様になる。この真理に則って、善いという事は極力、模倣に専念すべきである。」


「力を入れることに重点を置かずに、力を働かすことに重点を置く。」


「心も身体も道具である。」


「笑っているとき、人間は最も強い。」


右翼団体玄洋社社員、大日本帝国陸軍の諜報員、日本の実業家、思想家、ヨーガ行者、自己啓発講演家。天風会を創始し心身統一法を広めた。本名は中村 三郎。 学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動するも、戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受け渡米し、世界を遍歴。

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